モジラの開発トップが語る、Firefox 3.0の新機能

 米国モジラ・コーポレーションは、今年下半期にリリース予定の「Firefox 3.0」ブラウザに、オフライン時でもWebアプリケーションが利用できる機能を搭載する計画だ。

 モジラのエンジニアリング担当バイスプレジデント、マイク・シュレプファー氏が2月27日、Firefox 3.0に搭載予定の新機能と開発の進捗状況について語った。

 同氏は、Firefox 3.0の“目玉”として、オフライン時でもWebアプリケーションをサポートする機能を挙げる。 例えばオフラインの状態で、グーグルが提供する「Gmail」でメールを作成/保存し、ネットワークに接続した時点でメールやデータを送信するといったことも可能になるとのことだ。

 「われわれの最終目標は、FirefoxとWebベースのサービスとを統合し、パッケージ・アプリケーションと同様にFirefoxを通じてサービスを利用できるようにすることだ」(シュレプファー氏)

 同氏は、「Webアプリケーションをオフライン時にも利用できるようにするためには、いかにしてWebアプリケーション上で使用するデータを、ローカル・コンピュータに格納するかが課題となる」としたうえで、同社がこの課題をすでに克服したことを強調した。

 また、Firefox 3.0では「ブックマーク」と「履歴」も改良される予定だ。

 同氏によると、Firefox 3.0は組み込みデータベース「SQL Lite」を搭載し、履歴に格納されているキャッシュのフルテキストをインデックス化することができるという。これにより、ユーザーは過去に閲覧したテキストや画像をすばやく検索することが可能になる。一方、ブックマークは現在の静的な表示ではなく、閲覧頻度などに応じて自動的にソートされる動的なものに変更する予定だという。

 「ただし、ブックマークと履歴の“イノベーション”は、Firefox 3.0では実現できないかもしれない」(シュレプファー氏)

 もう1つの改良点は、拡張機能への取り組みである。

 Firefoxではアドオンや拡張機能を追加できるため、一部のユーザーからは、拡張機能を追加したらパフォーマンスが低下したという不満の声が挙がっていた。この問題に対処するため、同社ではテスト済みのライブラリを、拡張機能の開発者がダウンロードできるように変更するという。

 また、拡張機能を提供するWebサイトを大幅に見直し、ダウンロードできる拡張機能の数に制限を設けるほか、拡張機能の開発者が意見交換できるような「ディスカッション・フォーラム」を開設したいとしている。

 なお、Firefox 3.0以降のWebブラウザでは、同社と標準化団体のECMA(欧州電子計算機工業会)などで開発しているJavaScript 2をサポートする予定だという。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)

米国モジラ・コーポレーション
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提供:Computerworld.jp