Apple:情報サイトを閉鎖に追い込む 新製品暴露で

 米Appleが、大学生のウェブサイト「Think Secret」を相手取り、「新製品を発表前にスクープしたのは企業秘密の侵害」などとして損害賠償を求めた訴訟は、サイトの閉鎖で決着したことが12月20日(米国時間)発表された。Appleの姿勢は、インターネット時代の言論の自由に対する挑戦と受け止められたが、結果的に大企業の物量によって閉鎖に追い込まれた。

 Think Secretは、Appleのファンである米ハーバード大学の学生が、13歳の時から開設しているサイト。04年末に「iMac mini」の発売を、すっぱ抜いたところ訴えられた。同社は「従業員から情報を得ているはずで、企業秘密の不正入手に当たる」などと追及していた。

 しかし、サイトの閉鎖を条件に両者が和解。Appleは情報提供者の名前を明らかにするように要求していたが、それは断念し、「情報源の秘匿」は尊重された。

 ネット上の人権を守る活動をしている「電子フロンティア財団」(EFF)と弁護士が、学生を支援。約2年にわたって裁判で争っていた。学生は「和解によって学業や、ほかのジャーナリズム活動に集中できる」とコメント。個人のジャーナリズムが企業を相手に戦うことの難しさをにじませた。【南 優人/Infostand】

Think Secret
http://www.thinksecret.com/