Novell、Linuxに関するバルマー氏の発言に異議

 米Novellは11月20日、米MicrosoftのCEOであるスティーブ・バルマー氏が「Linux OSはMicrosoftの知的財産を侵害している」と発言した件について、自社の見解が異なる旨を説明した文書を発表した。ただし、先ごろ発表された両社の提携方針に変更はないとしている。

 Windowsの対抗馬としてSUSE Linuxを提供するなど、NovellはMicrosoftと長年にわたりライバル関係にあったが、11月2日にMicrosoftとの提携を発表し、業界を驚かせた。この提携の下、両社はソフトウェア製品の相互運用性の向上や販売/マーケティングなどで協力し、両社製品のユーザーに対し特許侵害を申し立てない方針で合意している。

 この提携が発表された際、Microsoft幹部はLinux OSが同社の知的財産を侵害しているかどうかについてのコメントを控えていた。だが、バルマー氏は11月16日、米国シアトルで開催されたコンファレンスの質疑応答の場で、「Linux OSはMicrosoftの知的財産を侵害している」と明言した。

 この発言は、オープンソース・コミュニティが抱いていた懸念をあおる結果となった。両社の提携はLinuxの配布に適用されているGPL(GNU General Public License)の違反に当たり、SUSE Linux以外のLinuxディストリビューションのユーザーをMicrosoftが訴える可能性を示唆するものだとして、オープンソースの支持者らは今回の提携を問題視していた。

 こうした流れを受けて、NovellのCEO、ロナルド・ホブスピアン氏は自社サイトに文書を発表し、「当社はLinuxと知的財産に関してMicrosoftが最近行った発言には同意できない。当社とMicrosoftとの提携は、LinuxがMicrosoftの知的財産を侵害していることを認めるものでは決してない」と説明している。

 また20日には、Microsoftも声明を発表した。その中で、「当社とNovellでは知的財産に関する見解が異なるが、当社はノベルの見解を尊重している。当社との提携に際し、Novellが特許侵害を巡る事実について同意も容認もしなかったのは事実だ。当社は自社の特許ポートフォリオを独自に分析し、両社間で特許契約を結ぶことが必要かつ重要との結論に達した」と述べている。

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)

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