Microsoft社が「オープンソースエバンジェリスト」を雇用?

(注:この話は私がでっち上げたものではない。 このような話をでっち上げるなどという芸当は私にはできない。) 友人が「自分にMicrosoft社のリクルータの女性から電話がかかって来た」と私に知らせてきた。 そのMicrosoft社のリクルータは、 「オープンソースエバンジェリスト(伝道師)」なる肩書きの職に付くことのできる人を探していたとのことだ。 確かに友人(この記事では名を伏せることを希望した)はオープンソースエバンジェリストだ。 しかもオープンソースの伝道には、かなり成功している方だと言える。 しかし友人はMicrosoft社で働くつもりはないらしい。 だが、もし、あなただったら、どうだろうか?

友人と私がともに困惑したのは最終的にはこの一点だ。 「一体 “オープンソースエバンジェリスト” はMicrosoft社で、具体的に何をするというのだろうか?」

OSTG の私の同僚は、 その職はおそらく「他の多くのオープンソース活動家をMicrosoft社のやり方へ改宗させる」 ためのものではないかと考えている。

また別の同僚は、 最近 Bill Hilf氏の信用が 著しく低迷していることから、 Microsoft社にLinux関連を担当する新顔の代表者が必要になったのだと思っている。

そしてリクルートされかかっていた当人(私の友人)は、 その仕事の内容が具体的にどういうものであれ、 「”いけにえの子羊” 的な臭いがした」と言う。

2005年中盤に、 Gentoo Linux プロジェクトの活動家 Daniel Robbins氏が フリーソフトウェア開発者からMicrosoft社員へと突然の転身を果たし、 そのことがメディアで大々的に取り上げられたこともあった。 しかし彼はたった8ヶ月で辞職している。

今回Microsoft社からコンタクトがあったと知らせてきた私の友人は、 必ずしも初期のGentoo時代のRobbins氏ほどまでに勢いのある GNU/Linux・FOSS 活動家というわけではない。 とは言え、コミュニティからの厚い信頼を得ていると同時に、 多くのFOSS活動家とは異なって、 業界や政府機関においても常識をふまえたビジネス指向の人として評判が高い。 もしもMicrosoft社が彼を「転向」させることに成功したなら間違いなく、 プレスリリースでそのことを声高に自慢する価値があるだろう。 そして、エンタープライズ環境に確実に浸透しつつあるLinux・FOSSの勢いを 弱める効果もあるかもしれない。

けれどもリクルートされた私の友人は 「自分もおそらくMicrosoft社が声をかけている千人のうちの一人に過ぎないだろう。 遅かれ早かれ、Microsoft社は誰かを見つけるはずさ」と考えている。

先日、私は 「 Microsoftは我々の愛を心から欲している」 (翻訳記事) という記事を書いてしまったので、 私がMicrosoft社からそのようなお誘いを受けることはまずないはずだ。 たとえ受けたとしても大笑いして「ノー」と言うだけだろう。

しかし、あなたならどうする? 「オープンソースエバンジェリスト」という肩書きを Microsoft社があなたに提供してきたら、どうするだろう?

NewsForge.com 原文