UFO情報の収集にオープンソースを活用する超常現象ポータル・サイト
Phillipsの超常現象への関心は子供のときに遡る。「7歳のときのことです。ウォルナットクリークに住んでいたのですが、外で遊んでいたときに空飛ぶ円盤を見たのです。現在『スポーツカー・モデル』と呼ばれている種類のものでした。それが地球外のものかどうかはわかりません。しかし、そこから私の探求が始まったのです」。絶えることのないUFOへの情熱と技術好きという特性を生かして、Phillipsは大学在学中に資料をまとめ始めた。Anomalies.netの原形だ。しかし、「資料は信じられないくらい厖大な量でした。本当に大量なので、やり方を考える必要がありました。Windowsマシンは信じられないくらい高価で、私には手が出なかったからです」。大学でSlackwareを知ったPhillipsは自分のサイトをLinuxで運用し始めた。「とても気に入りました。元に戻したことは一度もありません」
Phillipsにとって、Anomalies.netは趣味以上のものだ。一日中サイトを運用していたいほど打ち込んでいる。しかし、「コロケーション・センターの費用が嵩む」ため、昼間は、コンピューターでケーブルテレビを見られるようにするSlingboxという装置を販売する会社Sling MediaでIT管理者として働いている。「しかし、このWebサイトは2つの喜びを与えてくれます。コンピューターと存分に遊べますし、このWebサイトを通して、人々が自分の目撃したことを理解する手助けをすることができます。証拠を示しながら『ほら、しっかりして』と励ますことができるのです。オープンソースは、そうした活動に役立っています」
たとえば、Anomaliesが運用する5つのサーバーのうち4つはCentOS上で動作している。UFOに関する情報を集めミラーしたりアーカイブしたりする際はNutchが大活躍。NucleusCMSを使ってサイトに来た人に無償のブログ・スペースを提供するという具合だ。
Phillipsによると、オープンソース・テクノロジーは「防弾レベル」の堅牢性を持っており、サーバーにLinuxを使っているお陰で時間も費用も節約できるという。「私にはコロケーション・センターに出掛けてサーバーをリブートする余裕はありません。ですから、オープンソースは大助かりです。Apacheには沢山のモジュールがあるのに、IISを使う理由なんてあるでしょうか。IISはクラッシュします。一方、私のLinuxコンピューターは1年以上もリブートせずに動いています。これは何物にも代えがたい利点です」
オープンソース・テクノロジーを好むPhillipsではあるが、最近、Linux上で動作するIBMのプロプライエタリ製品OmniFind検索エンジンを使うことに決めた。Anomalies.netを訪れた人が、必要な情報を検索できるようにするためだ。PhillipsとしてはNutchを使いたかったのだが、この場合、Nutchは少し難しすぎるのだという。「Nutchは大いに気に入っています。私が管理用に使うなら申し分ありません。しかし、技術にまったく疎い人たちでもサイトに追加したり変更したりできるようにする必要があります。Nutchには、そうした仕組みがないのです」
Phillipsは、今、UFOを目撃した日付とGoogle Maps APIをつなぐ機能をサイトに加えるため、PHPのコードに取り組んでいるところだ。「今はベータ・テスト中で、もうすぐできあがります」
「オープンソースは大いなるチャンスの場です。Freshmeatを覗いて『自分も役に立てる』と思うような新しいプロジェクトを探せるのですから。そこでは、今までにないことをする人を助けようとする人たちが沢山います。私は難しい問題にぶつかるとGoogleに入力します。すると、答えが得られ問題は解決します。ときには、プログラムを書いた人に尋ねることもあります。オープンソース・コミュニティーは信じがたいところですよ。やり方がわからないときは、それを書いた人に聞けるのですから。大方は、実に親切な人たちです。プログラムを書けるから手伝っているだけ。私もそうありたいと思っています」
Phillipsは周囲の人たちにオープンソース・ソフトウェアを試してみるよう勧めている。「FedoraやCentOSを入手して、自分に合っているかどうか試してみてください。Unixが性に合っている人もいるはずです。（LAMPについて）疑問があれば、オンラインで調べてください。そこには、どのようなことであれ、手順を追って説明してくれる解説があります。とても簡単です。Linuxが初めてでよくわからないなら、誰かに聞けばいいのです。たとえば、私に聞いてくれれば説明してあげます。私にもわからなければ、調べてわかったことを教えてあげます。それがコミュニティーというもの、大いなる財産です」
