OLPC、ニュース番組「60 Minutes」に登場

 Nicholas Negroponteが創設したOne Laptop per Child(OLPC)プロジェクトが5月20日夜、CBSの人気ニュース番組「60 Minutes」で特集された。同プロジェクトはAMDチップとLinuxを搭載したノートパソコンのプロトタイプを製作し、現在、ブラジルなどの児童たちによるテストを行っている。

 番組ではIntelの活動によって人道プロジェクトOLPCが被っている問題についても取り上げられた。同社は、OLPCに対抗して自社の低価格ノートパソコンClassmate PCを提供するという、Negroponteに言わせれば「略奪的な」活動をしているという。

 番組は、Negroponteの夢――OLPC――が生まれた場所であるレクスマイ(カンボジア)の映像から始まった。そして、OLPCのプロトタイプが初めて使われているサンパウロ(ブラジル)近郊の児童たちの映像を流した。ブラジル政府は、OLPCパソコン購入の是非、購入するなら何台購入すべきかを検討する際の参考とするため、このテスト利用を注視している。

 Intelの行動がOLPCの活動を妨害しているのかという同番組リポーターLesley Stahlの問いに対してNegroponteは肯定し、OLPCはIntelとAMD間の争いに巻き込まれていると訴えた。これに対して、Intelの会長クレイグ・バレットは同社がOLPCを活動停止に追い込もうとしていることを否定、むしろ「子供たちに可能性をもたらそうとしています」と述べた。

 ところが、Negroponteは自身の発言を裏付ける証拠として、Intelからナイジェリア政府宛に送られた文書をStahlに提供していた。OLPCプロジェクトを批判しClassmate PCを誇大に宣伝するその文書を示されたバレットはそれがIntelからのものであることを認め、さらに「Intelはこれを競争と見ているようだが」とたたみかけられると態度を翻して次のように述べた。

 「もちろん、当社ではClassmate PCを市場に出回っている他の機器と比較しています。ビジネスとはそういうものです」

 真っ当な言い分にも聞こえるが、Classmate PCの目的は子供たちの支援にありOLPCと張り合うためではないという発言の直後であることを考えれば、この言い分はIntelの真の動機の信頼性を大きく損なうものだ。

 Negroponteの活動が真に人道的なものでありビジネスではないなら何故Intelなどの企業はかくも厳しく対抗しようとするのかというStahlの問いに対して、Negroponteは次のように説明した。「数が多いからです。台数を知ると企業は『参加していなければ商売は上がったりだ』と考えます」。OLPCプロジェクトがパソコンを届けうる子供たちの数を、Negroponteは10億以上と見積もっている。

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