Intel、オープンソースのFCoEイニシエータを発表――Linuxによるストレージの扱いやすさの改善をねらう

 米国Intelは12月18日、LinuxベースのシステムでFCoE(Fibre Channel over Ethernet)の開発/テストを行うためのオープンソース・ソフトウェアを発表した。同社は、このソフトウェアがデータセンターのSANインフラの簡素化に寄与するものだとしている。

 このオープンソース・パッケージは現在、Open-FCoE.orgのWebサイトからダウンロードできる。Intel幹部によると、同パッケージにはFCoEにアクセスするためのソフトウェア・イニシエータとそのサポート・ツールが含まれている。ソフトウェア・イニシエータはソース・ターゲットとのセッションを開始し、ターゲット・デバイスまたはアプリケーションとのセッションを確立してデータを送るためのものだ。

 FCoEは、SANトラフィックをEthernetでネーティブに配信するための標準仕様案である。Intelのストレージ・プランナー兼テクノロジスト、ジョーダン・プラウナー(Jordan Plawner)氏によると、FCoEは複数の大手ITベンダーがサポートしており、2008年半ばにANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)のT11委員会によって承認される見込みだという。

 Plawner氏は、このオープンソースFCoEプロジェクトのねらいについて、Linuxディストリビューションに容易に統合可能なFCoE標準ベースのソフトウェア・スタックをLinuxコミュニティが開発できるようにすることとしている。「Linuxはデータセンターにおけるストレージの扱いやすさの面で、Windowsに少し後れを取っている」と同氏。

 FCoEをLinuxユーザーに広げることで、IT管理者がLANとSANのコンポーネントを単一の10ギガビットEthernetに統合してデータセンターの管理を簡略化する作業が容易になるという。IntelはLinuxディストリビューターの米国Red Hatおよび米国Novellの専門家と話し合い、可能なかぎりLinuxとの親和性に配慮したと、Plawner氏は言い添えた。

米国Intel
http://www.intel.com/
Open-FCoE.org
http://www.open-fcoe.org/

提供:Computerworld.jp