WordPressに新バージョンが登場

 WodPress 2.5に対する私の印象は“すばらしい”のひとことに尽きる。

 先月リリースされたWordPress 2.5について開発陣は、単に“外観を一新”したのではなく “根本的に”デザインをやり直したのだと公言していた。目的は、強力で管理が容易なまったく新しいWordPressを作り上げることだった。WordPress環境をアップグレードして新しいフォーマットを使ってみると、WordPressをさらに優れたものにしようとする開発チームのすばらしい仕事ぶりが伺える。完璧ではないが、それにほぼ近い出来だ。

 見た目についていうと、WordPress 2.5の管理用バックエンドはすっきりとして、より美しいものになっている。これまでのバージョンではベージュ、黒、青によるありがちなカラースキームが使われていたが、今回は開発チームによって少し手が加えられて、濃茶と灰色がかった青による心地よく落ち着いた配色になっている。とはいえ、全体の構想で最も肝心なのが色というわけではない。

 これまでほとんど活用していなかったユーザが数多くいたことを考慮して、WordPressのダッシュボードは巧妙なレイアウト変更といくつかの便利な要素の追加によって生まれ変わっている。以前のダッシュボードにはWordPress.org関連のものしかなかったが、今回はユーザに関する情報やブログの管理に必要なものがあふれている。画面の上部には、ポスト(投稿)およびページの各作成画面に直結するリンク、使用中のウィジェット数とそのテーマ(双方について変更用のリンクあり)、リンク付きの最近のコメント、リンク元の情報を実際にまとめたサマリ付き着信リンクが表示される。WordPress.orgフォーラムへのリンクも残ってはいるが、管理画面の右上部分、ログイン/ログアウトおよび“マイプロフィール”リンクの隣という前よりも適切な位置に移っている。

 ダッシュボードに関してただ1つ困ったのは、このバージョン2.5を初めて使ったときに“ポスト”と間違えて“ページ”を作成してしまったことだ。これはおそらく、以前は“ページ”の編集画面を開くのに3回もクリックが必要だったのに、この最新版では“ページ”作成用のリンクが“ポスト”編集画面へのリンクの手前にあるからだろう。しかし、WordPress 2.5に対して感じる不満といえばこの紛らわしいリンク配置くらいであり、それもたいしたものではない。

 下半分には、WordPress.orgからの通知およびニュース、新着および定番プラグインへのリンクが表示される。もう1つ、ダッシュボードのすばらしい点は各エレメントに関するRSSリンクが追加されていることだ。コメント、リンク、通知に対するRSSフィードを追加したり、これらのフィードを1つの購読リストにまとめて自分のブログに表示したりできる。

 管理メニューは簡素化されており、これまで9つ表示されていたタブが4つ(「Write(投稿)」、「Manage(管理)」、「Design(デザイン)」、「Comments(コメント)」)に絞り込まれている。さらに、画面の右端には「Settings(設定)」、「Plugins(プラグイン)」、「Users(ユーザ)」という3つのタブがある。最近のバージョンにあった「Blogroll(ブログロール)」タブは消えているが、ブログロールの管理は「Manage(管理)」、「Links(リンク)」を順にクリックすることで行える。また、「Manage(管理)」タブの下には、ポスト、ページ、カテゴリ、リンクカテゴリ、インポート、エクスポートというオプションに加えて、タグとメディアライブラリという2つの新しいオプションが用意されている。タグオプションはカテゴリからタグへの移行に積極的に対応したものだが、私は特に便利さを感じなかった。とはいえ、このオプションは、タグの削除やそれぞれのタグが付けられたポスト数の確認に使える。メディアライブラリのほうは、数多くの画像、音声、動画をサイトで使う場合に役立つ。ブログポストに絵を入れるために写真をアップロードすることが多い私には、簡単にファイルが一覧できてどのポストに使われているかがわかるありがたい機能だ。

 「Design(デザイン)」タブは以前の「Presentation(プレゼンテーション)」タブから名前が変わっただけのもので、新しいテーマの選択、既存テーマの編集、ウィジェットの処理を行うオプションが含まれている。「Comments(コメント)」タブには、公開中のコメントの件数を示すクリックできる小さな吹き出しが「Comments」というラベルのそばに表示されることを除き、目新しい点はない。

 画面右端の“小さな”タブにも目立った変化はなく、「Plugins(プラグイン)」タブの下に全プラグインを一括で無効にできる便利なボタンが追加されたくらいである。私が見つけた唯一のバグは、このセクションのものだった。それは、プラグインの自動アップグレード機能が動作しないというものだ。すでにほかのユーザによってこの問題は報告されており、どうやらWPAUプラグインを使っている場合にのみ発生するらしい。WPAUを無効にすると、プラグインの自動アップグレード機能は申し分なく動作した。

 以上で、いかに私がこの新しいWordPressを気に入っているかわかってもらえただろうか。これまでWordPressを使ってきた人なら、このバージョン2.5もきっと気に入るはずだ。WordPressになじみのない人も、これを機会に新しいブログを始めてみてはどうだろうか。

Tina Gaspersonは権威ある業界誌のいくつかでビジネスおよびテクノロジ関連の記事を執筆している。1998年からフリーランスのライターとして活躍中。

Linux.com 原文