SF.jp 今月のプロジェクト[0805]:BrailleConverter

 OSDNが運営するオープンソース・プロジェクト支援サイトのSourceForge.JPでは、同サイトを開発拠点とするオープンソース・プロジェクトを毎月1つピックアップし、その開発者にインタビューする「今月のプロジェクト」というコーナーを設けている。今回は、日本語と英語に対応する点字コンバータ「BrailleConverter」を開発するtmatsugaki氏にお話を伺った。

――プロジェクトを始めた動機は?

tmatsugaki:バリアフリーな分野で自分が貢献できる何かを探していたところ、点字に興味を持ったので変換プログラムでも作ろうかと思ったのがきっかけです。当時、すでにNFBTransというフリーの墨字→点字のコンバータが存在しており、Cで記述されているため高速でありかつ機能も多彩であるということで、まずこれを試してみることにしました。私はMacを利用しているのですが、第三者によるNFBTransの改造版にMac OS Xでの動作を謳うものがあったこともNFBTransを選んだ理由の一つです。

ところが、その改造版が何故か私の環境では動作しません。オリジナルのNFBTrans自体にも日本語非対応であったり英語の変換結果に少々変なところがあるという問題がありました。何だかいろいろ問題があって厭になったのでNFBTransを改造(バグフィクス・機能拡張)しようかと、ソースコードをざっと斜め読みしたところ、ちょっとメンテナンスが難しそうだと感じて改造は断念。ということで、結局ゼロから作ることにしたわけです。せっかくゼロから作るのですから自分が楽しく開発できることを重要視し、言語にはLispを選んで、のらりくらりと開発することにしました。

Lispを選んだ理由ですが、点字の変換ルールは結構多岐に渡るのですがデータベースの採用を迫られるほどではないので連想リストを持つ言語を採用すれば十分だと判断しました。最近流行っていることと昔挫折した悔しい経緯もあって、今回はLispでやろうと決めました。最近はフリーで立派なCommon Lispの処理系があるので本当に良い時代になったと思います。最初に開発した日本語の点字・墨字の相互変換部分の開発は比較的平易だったのですが、複雑なルールベースの省略があるグレード2英語の相互変換部分の開発では未だに手を焼いています。

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