米海軍の最高情報責任者、軍務におけるオープンソースソフトウェアの重要性を認める

 Open Source Software Institute(OSSI)の部長を務めるJohn Weathersby氏が本日Linux.comに伝えたところでは、アメリカ海軍省は即時発効の命令として、今後海軍の調達するすべてのソフトウェアに関してはオープンソースソフトウェア(OSS)も対象に含めることを新たな方針として定めたとのことだ。

 アメリカ海軍省の最高情報責任者(CIO)を務めるRobert J. Carey氏が本日署名した「DEPARTMENT OF THE NAVY OPEN SOURCE SOFTWARE GUIDANCE」(海軍省オープンソースソフトウェア調達ガイドライン)と題された覚書(PDF形式でダウンロード)の冒頭では、民生用技術を利用するCOTS(commercial off-the-shelf)およびGOTS(government off-the-shelf)におけるソフトウェア要件をオープンソース系ソフトウェアが満たしているか否かに関する誤解が、海軍におけるオープンソースソフトウェアの本格的利用を阻害していたという経緯が記されている。

 このガイドラインではその同封物の1つにて、今後海軍は「市販製品の定義に合致したOSSについてはCOTSの枠内に含める」ことが明確に述べられている。この定義に関しては複数の規定が定められているが、最初の2つは下記の通りである。

(A)不動産を除くすべての品目にて、習慣的に一般社会および非政府団体において国政以外の用途に供されており、下記のいずれかの要件を満たすもの。

(i)一般社会にて、販売、賃貸、ライセンス供与されてきたもの。
(ii)一般社会にて、販売、賃貸、ライセンス供与の提供が行われてきたもの。

 Weathersby氏はOSSIのWebサイトにて「今後DON(Department of the Navy:海軍省)は、海軍のITシステムで使われるオープンソース系ソフトウェアの“ユーザ”に関する問題に対処するため、今回の「ユーザガイダンス補足」を手始めとする一連のガイドラインを定めていく」と説明している。同氏はまた「今後定められるガイドラインでは、海軍のITシステムにおけるオープンソース系ソフトウェアの“開発”および“配布”に言及していくことになる」と補足している。

 この件に関する作業委員会には、海軍と海兵隊の関係者だけでなく、情報産業とITベンダおよびオープンソース系コミュニティの代表者も参加していたとのことだ。かく言うWeathersby氏自身もこの作業委員会の一員であり、「今回のガイドラインは関係者一同が協力して得られた成果であり、オープンソース系コミュニティおよび情報産業を代表して、同プロジェクトの関係者すべてに対し感謝の念をこの場を借りて述べ、これらの人々が発揮した構想力、精神力、指導力に敬意を表する次第です」と記している。

Bravo Zulu, DONCIO!

(Bravo Zuluは「Well Done!」を意味する海軍用語)

NewsForge.com 原文