Linux世界における汎用的なプリンタサポートを理想に掲げるドライバ開発キット

 Linux Foundationから先週リリースされたLinux Standard Base Driver Development Kit(LSB DDK)では、プリンタメーカーがLinuxディストリビューションをサポートする際に必要になるプリンタドライバを単一のパッケージによってカバーしようという、非常に壮大な構想がその理想として掲げられている。

 Linux Foundationの取締役を務めるJim Zemlin氏は、先週出されたプレスリリースにて、「LSBプリンタドライバ開発キットは、私たちのように、開発者とベンダーとユーザが一体となって活動するコミュニティであればこそ実現できた成果です」と語っている。「1つはっきりしているのは、プリンタメーカーにLinux用製品を販売してもらうには、その取り扱いをきわめて簡単化する環境を整備しておく必要があるということです。今回の開発キットのリリースは、Linuxという大きな可能性を秘めた世界にプリンタメーカーが参入する際の障壁を低くするものであり、Linuxユーザが好きなプリンタを選んで“必要な書類を気軽にプリントできる時代”の到来を早めてくれるでしょう」

 DDKに関しては、そこに含まれるリソースを利用して1つのドライバキットを開発することによって、プリンタメーカーはLSBに対応したすべてのLinuxディストリビューションをカバーできるとされている。実際、先のプレスリリースによると、既にすべての大手Linuxディストリビューションがその将来的なリリースにおいて、各自のプリンタ設定ツールにLSB DDKを取り込むことを計画しているとのことだ。またDDKにはOpenPrintingデータベース用のWeb APIも含まれており、これを利用すると「ローカルのプリンタドライバがパッケージ化されていないLinuxディストリビューションであっても、プリンタドライバの検出とダウンロードをプリンタ設定ツールで自動実行させることが可能となります」との説明が出されている。

 Linux Foundationは、Open Source Development Labs(OSDL)とFree Standards Group(FSG)が統合して本年初頭に結成された団体であり、「オープンソース系ソフトウェアがクローズド系プラットフォームに対抗する上で必要となるリソースやサービスを統合的に提供することで、Linuxの普及と擁護およびその標準化を進める」ことをその活動目的としている。

Shirl Kennedyは1992年よりテクニカルライターとして活動しており、現在はDocuTickerおよびResourceShelfウェブログのシニアエディタを務め、Information Todayの「Internet Waves」コラムにも寄稿している。

NewsForge.com 原文