Ubuntuの完全フリー化を理想に掲げるGobuntuプロジェクト
Shuttleworth氏は同氏の個人ブログにて、「ファームウェア、コンテンツ、オーサリングインフラストラクチャ、といったコンテンツやコードのフリー化に関心のある開発者の方々に本チームへの参加を求めるものであり、通常ビルドのUbuntuを構成するコンポーネントの中から、Gobuntuにそのまま取り込めないものを特定する作業への協力をお願いする次第です」という呼びかけを発している。
“通常ビルドのUbuntu”ではクローズソース系ドライバが多数使用されているため、こうした整理作業で最初に実行されるのは、ハードウェアドライバ関連の特定となるだろう。
一方でUbuntuコミュニティの中には、Gobuntuというコンセプトそのものに懐疑的な眼差しを向けている人々も存在する。たとえばパリ在住のUbuntu開発者であるJordan Mantha氏から出されているのは、「仮にGobuntu開発陣がLaunchpadおよびMerge-o-Matic(Canonicalが開発したクローズソース系アプリケーションでUbuntuでも利用されている)などのツールを使用し続けるなら、Gobuntuを作る目的そのものが危うくなるのでは?」という疑問だ。
Shuttleworth氏が自らの構想として語っているのは、Gobuntuプロジェクトが進展するに従いUbuntuとの違いが自然と明確化していくであろうという点である。「チームの活動規模が大きくなれば、Ubuntuには無いGobuntu独自の仕様を色々と維持できるようになります。最終的な目的は、gNewSense(Ubuntuをベースに完全なフリー系ソフトウェアのみの構成としたGNU/Linuxディストリビューションの1つ)などと同様のプロジェクトで、クリーンかつメンテナンス性に優れたものを構築することです」
同ビルドは現在x86およびAMD64マシンで実行でき、HTTP、Jigdo、BitTorrent経由でのダウンロードが行える。
Shirl Kennedyは1992年よりテクニカルライターとして活動しており、現在はDocuTickerおよびResourceShelfウェブログのシニアエディタを務め、Information Todayの「Internet Waves」コラムにも寄稿している。