ハッキングの学位

米国アリゾナ州フェニックスの大学、The University of Advancing Technology(UAT)では、ハッキングの学位をとれる新しいネットワークセキュリティ課程を売り出している。UATのITマネージャRaymond Todd Blackwood氏によると、UATはWindows、Linux、Macintoshを使うギークの関心を集めており、その中にはネットワークセキュリティの裏の世界を狙っている者も含まれるという。

この課程のWebページHackerdegree.comは、Windowsではないデスクトップにいくつかのターミナルが開いているようなデザインで、”サイバー犯罪”、”サイバー窃盗”、そして”サイバーテロ”と戦う方法をもっと知りたくなる雰囲気を出している。広告情報サイトとしてUATのメインサイトへのリンクもある。だが、このサイトはInternet Explorerでなければ正しく表示されず、それ以外のブラウザではFlashの動画タイトルしか見ることができない。「それは古いサイトです」とBlackwood氏はいう。「いま新しいサイトを作っているところで、大金を投入して(あらゆるブラウザに対応する)すばらしいWebサイトにする予定です」

UATのゲームデザインを専攻している学生とチャットして聞いた話では、UATのネットワークセキュリティ課程には悪質な目的で受講しようとする者もいるが、たいていは他の学生に不正なたくらみを見抜かれるという。不正目的を通報された学生は、管理部門によって校内での不正クラッキング行為が禁じられる。こうした犯罪者予備軍のなかには、合法的なセキュリティグルとして稼ぐ道もあると知って改心する者もあるという。

この話をしてくれた学生は、「ユーザーが多いほど収入もいい」ので自分はWindowsから離れる気はないが、大学ではLinuxを選択することもできると話した。

Blackwood氏と学生グループは、フェニックス・ウォードライビング研究プロジェクトを先ほど完了した。フェニックス近郊の地域を対象に、無防備な”デフォルト設定値”になっているワイヤレスネットワークをチームに分かれて探すというプロジェクトだ。「元々はワイヤレス接続の普及度を調べようとして始めたのですが、普及増加調査はたいして重要でないことがすぐにわかりました。無防備なアクセスポイントが驚くほどたくさんあったのです」Blackwood氏によると、このプロジェクトでそのようなアクセスポイント168,000件が検出され、現在は周辺地域の住民に不正アクセスの危険性を軽減するネットワークセキュリティ設定手順を指導しているという。「フェニックス周辺のおよそ300人に指導しました」

UATには全部で約1,200人の学生がいる。UATの他の課程としては、マルチメディア、ソフトウェアエンジニアリング、テクノロジコマースの学士課程と、テクノロジ修士課程がある。アリゾナにあるキャンパスに通学する以外に、世界のどこからでもオンライン受講できる。2005年の新入生の内訳は通学生343人、オンライン受講生47人(入学要綱参照)。Webサイトから在校生とチャットしてUATの様子を聞くことも可能だ。

NewsForge.com 原文