Microsoft、企業PC向けウイルス対策ソフトを来月発売――CEOのバルマー氏、「包括的なセキュリティを提供できる!」

 米国MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー氏は4月23日、オランダのアムステルダム市近郊で開催されたテクノロジー・イベントの基調講演で、企業のクライアントPC向けウイルス対策ソフトウェア「Forefront Client Security」を5月中に発売することを明らかにした。

 同製品は、昨年2月に約100名規模のベータ・テストが開始され、同年12月からは公開ベータ・テストが実施されている。関係者によると、製品版のリリース目標期日は今年6月とされていた。

 Forefront Client Securityは、マルウェアやコンピュータ・ウイルス、スパム・メールなどからクライアントPCを保護するための企業向けウイルス対策ソフトウェアである。コンシューマー向けセキュリティ対策サービス「Windows Live OneCare」やスパイウェア駆除ツール「Windows Defender」といった既存の製品/サービスのほかに、企業向けPCには欠かせない管理機能が搭載されているのが特徴。例えば、ドメイン管理の「Active Directory」と統合させれば、管理者がマルウェア保護エージェントを一括してクライアントPCに配布することが可能だ。

 バルマー氏は、Forefront Client Securityを「ウイルス予防とセキュリティ対策を同時にクライアントPCで実現する“オールインワン・タイプ”のセキュリティ製品だ」とし、その優位性を強調した。

 実は、Microsoftがセキュリティ分野に注力し、新製品や「Service Pack」を開発する際にセキュリティを優先事項にしたのは、2000年以降である。バルマー氏もこの事実を認めており、以下のように語った。

 「インターネットの爆発的な普及により、悪意ある攻撃からいかにコンピュータを守るかが緊急の課題となった。われわれは2002年から『Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)』をスローガンに掲げ、製品の信頼性を約束することに全力を注いでいる」

 ちなみに、Forefront Client Securityは、同社が2003年に買収したルーマニアのアンチウイルス・ベンダー、GeCADソフトウェアの技術や、2004年に買収したジャイアント・アンチスパイウェアの技術が基となっている。

 一方バルマー氏は、MicrosoftがTrustworthy Computingを徹底させ、同社のセキュリティ製品群を充実させたとしても、サードベンダー製のセキュリティ対策ソフトに対する需要はなくならないとの見解を示した。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)

米国Microsoft
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提供:Computerworld.jp