Linuxによるビデオ編集 [9/12更新]

 プロフェッショナルな映像分野ではCGのレンダリング・ファームやノンリニア編集システムでLinuxが活躍しているというのに、コンシューマ向けのLinux用ビデオ編集ツールは非常にお寒い状況である。おそらく、Linuxの「バージョンアップが早く」、「さまざまなディストリビューションが存在し」、「それらをまとめてもデスクトップ市場で少数派である」という状況が、ベンダーに市場参入を躊躇させるのだろう。

 もっとも、オープンソースのビデオ編集ツールがいくつか存在するため、Linux上でもそれらを使ったビデオ編集が可能である。オープンソースのビデオ編集ツールは、プロプライエタリなツールと比べると機能が見劣りしたり操作性に難があったりするものの、不要な部分をカットしてシーンをつなげるといった基本的な編集作業なら十分役に立つ。以下では、そうしたオープンソースのツールを使ったビデオ編集方法を紹介する。

デスクトップを録画するLinux用ツール 2008年08月11日
 Linux上で利用可能なスクリーンキャスト用アプリケーションは数多く存在する。そのようなアプリケーションを使えば自分のデスクトップ上で起こっていることすべてをビデオとして録画することができるので、ブログやチュートリアルで使用するためのデモを作成したり、プロジェクトの説明に静止画以上の効果を持たせたりするのにうってつけだ。 [記事全文]

Linuxツール群で行うオリジナルDVDでの字幕作成 2008年07月03日
 私の母は耳が悪く、人工内耳のサポートでようやく音を聞き取れる程度であるため、自宅ではクローズドキャプションやDVDの字幕機能を使うのがごく当たり前になっている。ところが手元の機材で撮影するホームビデオの場合は、母のために字幕を付けたくても、そうした作業が常に可能とは限らなかった。また仮にキャプション付きでビデオ撮影することはできたとしても、通常この種の字幕を非表示化する機能は用意されていない。ところが今回、SRTファイルを介してDVDに字幕を追加するためのオープンソース系ツールの組み合わせを特定できたことで、そうした不満もようやく解消できるようになったのだ。 [記事全文]

オープンソースのビデオ編集ツール:現状と今後の課題 2008年04月15日
 この10年、オープンソースのビデオ編集/操作ツールの進展を見てきたのだが、胸が踊るような気持ちには今一つなれなかった。このような状況は近い将来、改善する見込みがあるのだろうか? 現状に酷く幻滅してしまった人さえもがそこに再びわずかな希望の光を見い出すようなことは起こりうるのだろうか? [記事全文]

RippedWireおよびWinFFを用いて行うLinux上でのビデオフォーマット変換 2008年02月20日
 本サイトではこれまで、ビデオファイルをフリーのOggフォーマットにエンコードないしトランスコードするためのGUIツールとしてOggConvertおよびThoggenを紹介してきた。しかしながらこの種のコーデックとしては、TheoraおよびDirac以外にも多数のオプションが存在している。よって本稿では、DVDのリッピングとコンバージョンに特化した RippedWire および、DVDコンテンツその他ビデオソースのコンバージョンに対応した WinFF という、操作性と品質の両面で優れた2つのユーティリティを紹介することにする。 [記事全文]

Linuxで字幕を作成する 2008年02月13日
 英語圏の人にはあまり馴染みがないかもしれないが、世界のそれ以外の地域の人にとって字幕とは、映画を本当に楽しむことができるか、あるいは映像を見ながら何が起こっているのかを単に推測するだけに留まるのかの違いを生み出すものだと言っても良いだろう。Windowsには字幕を扱うためのツールが幅広く揃っているが、実はLinux用のアプリケーションでもそのような作業を行うことができる。本稿では、編集やリッピングや変換などを行う便利なツールを紹介する。 [記事全文]

CLIタイプの便利なビデオ・コンバーターmencoder 2007年11月30日
 mencoderはMPlayerメディア・プレーヤー・パッケージに含まれているツールだ。MPlayerはオーディオとビデオのファイルを再生するが、mencoderはマルチメディア・ファイルを変換し管理する。このツールにはさまざまなGUIがあるが、コマンドラインからも、ほとんどあらゆる形式のビデオ・ファイルを作ることができる。ここでは、その使い方を紹介しよう。 [記事全文]

ビデオのフォーマット変換を簡単に実行できるOggConvert 2007年12月27日
 OggConvertはGUIベースのシンプルなビデオトランスコーダであり、その出力形式はTheoraおよびDiracというフリー系フォーマットのみに対応している。フォーマット変換の操作は極限にまで簡単化されているが、登場して間のないDiracコーデックを手軽に試してみることができる点にも注目すべきだろう。特に操作性に関しては、この種のソフトにつきものの複雑な設定をいくつも調整する必要はなく、対象となるファイルをドラッグ&ドロップして処理の完了を待つだけである。 [記事全文]

DVDオーサリングのクイックガイド 2007年09月12日
 ビデオ映像をPCに取り込んで編集したうえで友人や家族と共有したい(あるいは仕事で使いたい)という人にとって嬉しいことに、これらの作業はすべてオープンソースのツールだけで行える。ここでは、ほとんどの家庭用DVDプレーヤーで再生できるDVDのオーサリング方法を紹介しよう。 [記事全文]

‘Q’ DVD-Authorを使って単純なDVDを作成する 2007年05月28日
 米国の市場に最初のDVDプレイヤが登場したのは10年ほど前のことだ。当初の普及こそ伸び悩んだものの、その後DVDはビデオテープをほぼ完全に駆逐し、映画業界におけるデファクトスタンダードとなっている。Linuxマシン上でDVDを作成しようとすると作業が大変になることもあるが、’Q’ DVD-Authorを使用するとずっと簡単に行なうことができるようになる。 [記事全文]

Kinoを使ってビデオ用の字幕とグラフィックを作成する 2007年03月23日
 KinoはLinuxで使える優れたビデオ編集用フリーソフトウェアの1つだが、その操作は必ずしもわかりやすいとは言えない。ここでは、ビデオクリップへの字幕とグラフィックの追加というごく当たり前に行われる作業を取り上げる。当初はその方法がよくわからなかったが、少し調べると、字幕とグラフィックを追加する良い方法を見つけ出すことができた。 [記事全文]

Linuxでスクリーンキャストを作成するには 2007年03月23日
 何らかのハウツーを示す際、一連のスクリーンショットを順番に写し出すビデオという形で単純なスクリーンキャストを用意しておくだけで、言葉でいくら説明しても説明できないようなことを簡単に説明できることも多い。Linuxといくつかのオープンソースのアプリケーションを利用すると、そのようなスクリーンキャストの作成を簡単に行なうことができる。 [記事全文]

Linux用ツールを使ってデジタルビデオ編集のエキスパートになろう 2007年03月22日
 私はビデオクリップの撮影/編集/制作に情熱を傾けて、もうかれこれ10年程になる。フリーソフトウェアの熱烈な支持者でもあるので、そのようなビデオ制作の過程のすべてをLinux上で行なおうといつも試みてきた。そして今年になってついに、これでよしというツールの組み合わせが揃った。この記事では、ホームビデオの制作方法を簡単に紹介する。 [記事全文]

まだ完成度の低いオープンソースのビデオ編集ツール 2007年03月19日
 年に1、2回、私はFOSSのビデオ編集ツールを調査する。ビデオ制作に携わるアマチュアの上級者やそれほど稼ぎの多くないプロ(ちなみに私もこの部類に入る)が日常的に使えるレベルのものが出ていないかを確かめるためだ。FOSSのビデオ編集ツールの実用性をある程度高めた注目すべき進歩がいくつか見受けられたものの、厳しい納期で質の優れたビデオ制作を求められる人々がFOSSのデスクトップビデオ編集を真剣に検討できるようになるには、まだ時間がかかりそうだ。 [記事全文]

FOSSソフトウェアしか使わない簡単なビデオ製作 2006年11月22日
 今日、デジタルビデオ編集はすっかり身近になり、趣味のコンピュータを楽しむ人やアマチュア映像作家にとって当たり前のものになったが、多くの人は Linuxを使ったビデオ製作は平均的なコンピュータ・ユーザには不可能だとか、難しすぎると思うようだ。そんなことはない。ビデオのキャプチャを手始めに、編集、DVDのオーサリングやエンコーディングに至るまで、高品質のビデオをフリーのオープンソース・ソフトウェアで簡単に製作できる。 [記事全文]