犯人扱い

こちらのプロジェクトがうまくいかないのは顧客が悪いというエントリについて、おそらく勘違いによるものだろうという記述があったのでここにメモしておく(ツッコミ欄もtrackbackもないので)。

| やがて立ち上がった画面を見た時、室員の一人は思った。
|  「これで40億か……」
そのあまりのしょぼい画面を見て思う言葉を、なぜ今はくのだ。受注した企業が下請けに丸投げした?
自分のシステムを業者に丸投げしたのはお前だろう!

ちょっと待て。この「これで40億か……」の言葉を吐いたとされるのは、電子政府推進管理室の室員ということだ。この「電子政府推進管理室」なるもの 2006/04/10 付けで新設されたばかり(リンク先PDF)の部署。システムを作成した「顧客」は「人事院」であって電子政府推進管理室ではないし、そもそも発注当時に電子政府推進管理室は存在していない。いきなり「お前だろう!」などと詰め寄られても、きちんと仕事をしている電子政府推進管理室室員は当惑する以外の術は無い。

プロジェクトの成功は顧客が「何を成功とするのか」というビジョンを保持し、それに当たって顧客自身が最大限の努力を払う必要があるであろう、というような方向は同意するが、持論を展開するのに「事実誤認を基に」行ってもそれは空虚でしかない。怒りは強いエネルギーだが明後日の方向にぶつけないように注意を払おう。