起動時間を短縮した「Fedora 11」ベータ版リリース

 Fedora Project(米Red Hat支援)は3月31日、Linuxディストリビューションの次期版「Fedora 11」(開発コード名「Leonidas」)のベータ版を公開した。カーネルモードセッティング(KMS)によるブートプロセスなどが強化された。プロジェクトのWebサイトよりライブCD/DVD/USBなどのイメージファイルを入手できる。

 同ベータ版は、Linuxカーネル2.6.29(プレリリース版)を土台とし、デフォルトのファイルシステムに「ext4」を採用する。ブートプロセスの強化、新しい仮想化機能、「PackageKit」強化などが特徴となる。

 ブートプロセスでは、Intel、NVIDIA、ATIのグラフィックアダプタでKMSをサポートすることで、起動時間を短縮しビジュアル効果を実現する。起動時間は、ログイン画面表示まで20秒を目標に開発を進めているという。

 仮想化では、管理コンソールを一新し、ゲスト仮想マシンでのSELinux統合などの新機能が加わった。クロスディストリビューションパッケージ管理のPackageKitでは、オンデマンドでのフォント/ファイルサポートなどが加わっている。

 このほか、MinGW環境を利用し、クロスコンパイルWindowsアプリケーションをFedoraで直接サポート可能となった。セキュリティでは指紋センサーによる認証に対応、ボリューム管理や電源管理も強化されている。

 デスクトップでは、「GNOME 2.26」「KDE 4.2.1」「Xfce 4.6.0」などの最新版をサポート、「Firefox 3.1」「Thunderbird 3.0」なども含まれる。コンパイラも「GCC 4.4」(プレリリース版)にアップグレードされている。

 Fedora 11の正式版は、今年5月末にリリースする予定という。

Fedora Project
http://fedoraproject.org

「Fedora 11」ベータ版ダウンロード
http://fedoraproject.org/get-prerelease