GoogleとAFP通信、Google Newsを巡る著作権侵害訴訟で和解――ニュースと写真の使用を許諾するライセンス契約を締結

 フランスの通信社AFP(アジャンス・フランス・プレス)が2年前に米国Googleを相手取って起こした訴訟で両社が和解し、AFPは、Google NewsサイトへのAFPのコンテンツの掲載を著作権侵害だとする訴えを取り下げた。

 AFPは4月6日、AFPとGoogleが、AFPのニュースと写真の使用をGoogleに許諾するライセンス契約を締結したと発表した。

 AFP は2005年3月、GoogleがGoogle NewsにAFPのコンテンツを無断で掲載しているのは法律違反に当たるとして提訴した。Google Newsは、多数の報道機関が配信している記事のリンク付き見出し、抜粋、写真のサムネイルを集めたニュース検索サイトである。

 AFPの提訴に対し、Googleは、Google Newsサイトは、著作権のある著作物の限定的な使用を認める公正使用の原則で保護されており、記事の見出し、抜粋、サムネイル画像は著作権の保護対象ではないと反論していた。

 AFPは声明で、Googleとのライセンス契約の詳細は公表しないとしている。この契約により、GoogleはAFPのコンテンツを「革新的な新しい方法」で使用できるとされている。具体的には、GoogleはAFPのコンテンツを、Google Newsへの掲載やそのほかの幅広い方法で使用することを許諾している、とAFPは述べている。

 両社の契約は、Googleが昨年8月、AFPと競合する米国AP通信と結んだ契約と同様の内容と見られる。GoogleとAPはその発表時に、APのコンテンツを、Google Newsへの掲載に限らずさまざまな方法で使用することをGoogleに対して許諾するライセンス契約を締結したと説明していた。

 AFPはGoogleに対して米国とフランスで起こした訴訟で、1,750万ドル以上の損害賠償と、AFPのコンテンツのGoogle Newsへの掲載差し止めを求めていた。

 このAFPの訴訟は、Google Newsの法的な正当性を問う大きな試金石として注目されていた。Google Newsは先ごろベルギーの裁判所で著作権侵害と認定されている。

 なお、米国時間4月6日現在、Googleからコメントは得られていない。

 AFPの米国での訴訟を担当する法律事務所ビネーブルのパートナー、ジョシュア J.コーフマン氏は、今回の和解は、「当事者双方が長期にわたって誠実な交渉を積み重ねてきた」成果だと述べた。

 AFPのコンテンツは6日付けでGoogle Newsに掲載することが再び可能になっており、AFPでは、同社のコンテンツがGoogleにさまざまなかたちで使用されるようになると考えている、とコーフマン氏は語った。

 Googleが第三者のコンテンツを無断でインデックス化して検索の対象としていることについては、AFPの訴訟のほかにも、異議を申し立てる訴訟が米国内外で起こされている。問題視されている同社のサービスとしては、Google News以外にも、Google Book Search(書籍検索)、Google Image(画像検索)、YouTube(動画共有)などがある。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

AFP(フランス)
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Google(米国)
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提供:Computerworld.jp